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2014年から毎年国際アワードを受賞!PRに恋した根本陽平に聞く「PRってそんなにオモシロいの?」

「みんなが一度きりの人生の中で運命の人にひとり出会うのだとしたら、俺にとってのそれはPRだった」

そんなキザな名言を吐いた社員がいる。その名を、根本陽平という(以下、ネモトさん)。

くまモンほっぺ紛失事件、ロックを聴かせた味噌汁、地元秋田の観光誘致キャンペーン・・・ネモトさんが携わった仕事は数知れず。「パブリックリレーションズ(以下、PR)はこんなにも自由なんだ」とPRの無限の可能性を示し、それは私たち若手の希望にもなっている。

今や第一線でバリバリ活躍しているネモトさんだけれど、そもそもの志望動機は?どんな就活してたの?アイデアは一体どこから生まれてくるの?意外と知られていないネモトさんの頭の中を、今回は丸裸にしたいと思います!!

Profile

情報流通デザイン局 コミュニケーションデザイン部

根本 陽平 (ねもと ようへい)

2008年入社。宣伝会議「オンライン動画プランニング実践講座」(2016年〜)講師。”PR思考”でプロモーションから商品開発・企業活動の全体設計を行う。

PRを担当した主な仕事

マルコメ「ロックを聴かせた味噌汁」「世界初かわいい味噌汁」、ホクト「菌活」、リネット「潔癖刑事」、熊本県「くまモンほっぺ紛失事件」、Panasonic「LOVE THERMO〜#愛してるで暖めよう〜」、P&G JOY「家事分担をJOBからJOYへ」、秋田犬ツーリズム「秋田県北部観光誘致キャンペーン」、サクラパックス「熊本城復興 組み建て募金」など

受賞歴

Global SABRE Awards(「世界のPRプロジェクト50選」)、PRWeek Awards Asia(4年連続) 、IPRA Golden World Awards、PRアワードなど。

書籍(共著)

「PR思考」「戦略思考の魅力度ブランディング」「自治体PR戦略」

メディア掲載

朝日新聞「ひと」など

【PRを志したきっかけ】
好きなビールを“味”ではなく“ブランド”で選んでいた!?

ネモトさんがPRと恋に落ちた瞬間・・・それはどんな運命の出会いだったのだろうか。

 

 

きっかけは2つあったという。「1つ目は、大学時代に友人と遊びでやった“利きビール選手権”。当時、すごく好きなビールがあったんだけど、名前を伏せて味だけとなると、商品を当てられなかった」。なぜ自分は味も当てられなかったのにこんなにこのビールの銘柄が好きだったのだろう?と当時疑問に思い、それが「あ、“味”ではなく“ブランド”で選んでいるんだな」ということに気付いた瞬間だった。そんなブランドイメージをつくりあげていたのはなんだったのか自問自答し、“CMやパッケージ以外の何か”に動かされているんじゃないか…?!」と掘り下げていったらPRに出会った。

 

 

そしてもう1つは、東国原英夫元知事による宮崎県の地域活性PR。地鶏やマンゴーなどの特産品は宮崎県がもともと持っていた魅力。なのに、スポークスパーソンや発信の仕方が変わっただけでこんなにも経済効果が上がるのかと、ニュースを見ながら驚いた。「やっぱり肝心なのは伝え方なんだ」と。

 

 

こうした経験を経て、就活時には業界へのフォーカスはほぼ絞れていたという。「でも、ありとあらゆる業界を知りたかったから、就活では100社はみた」。てっきりPR業界に的を絞り、他の業界には目もくれず活動していたのかと思いきや、就職前の事前リサーチとして100人の社会人に会いに行ったというから驚きだ。

 

 

「PRプランナーという立場は、自分が主体になるよりも主体者である企業や団体の課題に向き合う仕事。お付き合いする相手に感情移入できた方がいい。もしPRをやるならこの会社は好きだなぁ、この会社面白いなぁ、とかを知るために、金融、農業、IT、ベンチャーなど業界を問わず幅広くみた」。その過程で目移りする業界があれば行くことも考えていたが、結果、PRよりもやりたいと思える仕事はなかったという。

 

 

また数あるPR会社の中でもPR業界をけん引していきたいという思いと、OB訪問で出会ったムトウ社員の話から、仕事そのものを楽しんでいる印象を持ち、当社に決めたらしい。

 

 

就活時から、入社後のイメージをここまで明確に持って活動していたなんて、恐るべし…!

 

 

【印象に残っている仕事】
各プロフェッショナルがワンチームで同じ方向に進める仕事

2014年から毎年海外アワードを受賞しているネモトさん。

 

 

「僕らの仕事は評価が難しい。けれどクライアントに喜んでもらえてその延長にアワードの受賞などがあると、第三者や海外からも評価を受けたことを対外的に知ってもらえるありがたい機会だと思います。またこれからグローバル化していく時代に、思いを注ぎ込んでやってきたことが世界の基準からもズレていなかったんだなと再確認できる」。

 

 

数多くの受賞歴の中でも、特に印象に残っている仕事が、マルコメさんの「これまでにない新しい味噌汁」開発プロジェクトだという。味噌と若者の接点づくりのために、「ロックを聴かせた味噌汁」「カワイイ味噌汁(原宿味)」というユニークな商品が生まれた。「自分が携わったプロジェクトがSNSでシェアされたり、商品がコンビニに並んで買っているところを目撃したり、誰かの行動を変容させるということをリアルに実感できた経験だった。」

 

 

この企画は電通の若手新進気鋭クリエイターと当社社員のネモトさん、ネモトさんの1つ下の後輩社員マツオさんといった同世代のチームみんなでゼロから考えて生まれたもの。企画を実現まで完璧に遂行してくれるフロントチームと、懐の深いクライアントの理解もあって実を結んだ。コミュニケーションを設計する上では、戦略、コアアイデア、届けたいメッセージ、各施策(CM、SNS、パブリシティ…)考えることは山ほどある。

 

 

個々のメンバーが各々の強みを出し切ったとき、一人では想像もし得ない「面白いこと」を起こせてしまうのがこの仕事だ。

【アイデアの生み出し方】
アワード連続受賞するも、内心は「劣等感の日々」

早速ワクワクする話を聞いて鼻息が荒くなってきたが、何事も栄光の裏には苦労が付き物だろう。

 

 

「ぶっちゃけ、大変だったこともいっぱいあったはずですよね」。酸いも甘いも全部包み隠さず教えてくれっ…!という思いで尋ねると、

「大変だったことは忘れちゃうんだよね(笑)」と返された。

 

 

うーん…。そんなことはあるまいと思っていると、「例えばアイデアが出てこないこととか・・・」。

 

 

ネモトさんによれば、「アイデアが出てこないのは、自分のインプットが足りていない」のだという。

 

 

「この業界では有名すぎる名著『アイデアのつくり方』でジェームス・W・ヤング氏が、『アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない』と述べている通り、何もないところからアイデアを生み出しているわけではなくて、既に世の中にある情報を掛け合わせたり、肉付けしたり引き算したり掛け算したりしてアイデアは生まれると思ってます。なので、生活の中でのインプット量が多いほど、アイデアが生まれる可能性が高いということなのだと信じて何事も日々吸収するように心掛けてはいます。とはいえ毎日いろんな新しいことが生まれてくる世の中、日々勉強あるのみです・・・」。

 

 

逆を言えば、インプット無くしていい仕事はできない、ということなのだろう。アイデアをたくさん生み出せる人は、何も根っからの天才というわけではなくて、自分から地道に情報を取りに行っているだけなのかもしれない。

 

 

専門家、メディア、クリエイター…仕事をしているとさまざまなプロフェッショナルの方と出会う。彼らの頭の中にある情報量はとてつもない。

 

 

自分のインプットが十分に足りていると思ったことは1ミリもない。劣等感の日々。要領がいいタイプではないから、無意識に生活の中に組み込めるようにがんばってるかも」と語るネモトさん。

これほど面白い仕事をしていても、「自分はまだまだ」という姿勢が次なる仕事を生むのか…。一生アニキに付いて行かせてください!という気持ちになった。

 

 

【PRの醍醐味】
PRは「決まり手がない」から面白い!飽きることが一生ない!

「クリエイターと一緒に仕事をすることが多いが、本当に勉強になることばかりで彼らからいろんなことを学ばせてもらった。その中でも一番印象深いのが、言語化することの重要性だった。

 

 

PRという領域は、人によって使っている意味合いが違っていたり、例えば自分が祖父祖母に説明するのに、一言では説明しにくい業界だということにずっとモヤモヤしていた。

そんな中、2018年に書籍を出す機会に恵まれ、自分のこれまで言語化してこられなかったことを書籍にすることができた。

 

 

デジタル時代の基礎知識 『PR思考』 ―人やメディアが〈伝えたくなる〉新しいルール」。
(※ネモトさんと、先輩社員イザワさんの共著。就職活動にも活用できる考え方がてんこ盛りなので、就活で行き詰まったときにはぜひ手に取ってみてほしい!)

 

 

何もクリエイターでなくとも、誰だってアイデアは出していいし、出せる。

 

 

「俺が小さい頃は、クリエイターって免許がない人はやってはいけないような崇高なものだと思っていた。でも、いざその領域に勇気を出して踏み込んでみると、“誕生日の友達を喜ばせるために悩む”ことの延長のようなものかもと思うようになった」。

 

 

PRプランナーが提供していることは、主体者が言いたいことと世の中が欲しがっているものをつなぐ、いわば主体者と世の中とのマッチングサービスだ。

 

 

「見事マッチングする(いい関係にする)ためには、アプローチは何通りもある。CMやっても商品つくっても新しい組織やルールをつくっても、新しいスポークスパーソンやキャラクターをつくっても、何をしてもよくて決まり手がない。本当に自由。でも世の中は、時代と共に動いているから、10年前にハネたことと同じことを今やっても、ハネない。常に最新の問題や流行を捕まえて世の中と向き合ってなきゃいけない」。

 

 

それはつまり、自分も成長し続けないといけないということだ。「勉強してもしても追いつきませんね…」と言うと、

 

 

「そうだね。だからこそ面白い。同じことが通じないので飽きっぽい人にも最高!」

 

 

とギラっとした目で返された。くぅ~、シビレル~~~。

 

 

【自治体PR】
地元秋田への貢献は、まだ夢の途中

秋田県出身で、入社前からPRで地元に貢献したいという思いを持ち続けているネモトさん。観光誘致キャンペーン「MOFU MOFU☆DOGS」のプロジェクトでは海外アワードを5つも受賞している。

 

 

「秋田は本当に大好き。高校まで秋田にいて、自分を形成してくれた地元には感謝しかない。まだまだこれから、という気持ち」。

 

ネモトさんが東京で就職するとなったときは、地元在住のおじいちゃんはよく思わなかったという。「でも自分が戻って人口を1人増やすよりも、観光客を1万人呼ぼうとか、移住者を100人増やせた方がいいと考えた。地元への貢献の仕方はいろいろあるから、自分がどの道を選ぶか」。

 

PRの場合、情報を流通させ、人の心を動かし、最終的に個や集団を行動させる、というやり方で貢献していきたいと語る。

 

 

ちなみにちょっと個人的な話だが、「祖父には言葉よりも姿勢で示したかった」というネモトさん。そんな小さな火をずっと胸にともしながら働いていたが、社会人3年目の時におじいちゃんが亡くなってしまう。「くまモン ほっぺ紛失事件 キャンペーン」で初めてアワードを受賞し、全国紙のインタビューを受け、その後秋田での仕事をすることになるが、その前の出来事だった。

 

 

「じいちゃんに仕事の姿勢を見せられなかったのは唯一心残り」と一瞬寂しい表情を見せたネモトさん。絶対におじいちゃんも喜んでいるに違いないですよ…!と声が漏れ出てしまった。

 

 

【情報収集の方法】
SNS好きはPRに向いている!? 本音はネット上に既に吐露されている

今は黙っていても受動的に流れてくる情報が多すぎて、どう情報を集めるのが効率的なのかわからないという学生も多いだろう。ネモトさんなりの情報収集の方法を、ここだけの話ということで聞いてみた。

 

 

単語を入れておけば関連記事を拾ってくれるGoogleアラートはよく活用している。ポピュラーなサービスだが、それも使い方次第だという。例えば『世界初』などと入れておけば、こんなに世界初ってあるんだと事例のストックができる。」

業界や商品で絞るということはよくやるが、“視点で絞る”というやり方もあったのか!勉強になります!!

 

 

「もちろんSNSだって絶対に活用した方がいい。良さも悪さも分かった前提で。今の時代って、実はインサイト(深層心理)って隠れてるんじゃなくて、もうSNSや掲示板で吐露しちゃっていたりすることがたくさんある。匿名であっても、モヤモヤした本音を吐き出せる場所がある。そんなインサイトがたまっているSNSこそ、アイデアの宝庫であり、人に刺さる文脈とはどんなものかを学べる宝庫だと思う。一方で、オフラインのリアルな体験こそが逆に重要になってきていることとかも話したいけど、そろそろ時間ですね(笑)」

 

 

【就活生へメッセージ】
信じられないくらい多くの人に会ってみよう

就活時には100人に会ったというネモトさん。今、学生に「これだけはやってみて!」と言うとしたら何だろうか。

 

 

「人それぞれ違うから、これをやるべき!ということはない。けれども一つだけお勧めするとしたら、『信じられないくらい多くの人に会う』ということ。会うことで損することってほとんどない。その人の経験や視点をインプットするチャンスだから。何の利害関係もない学生という特権を使って、いろんな人に会うといい」。

 

 

もちろん興味がある人からでもいいし、興味がない人のところに行って、なぜ興味がないか、あるいはここだけは良かった、を確認しに行くことにその経験を使ってもいい。PRパーソンを目指すのであれば、食わず嫌いせずいろんな分野に首を突っ込んでみよう。いつかどこかで、何かしらにつながるかもしれない。

 

 

そんなネモトさんが仲間になってほしい学生とはいったいどんな人なんでしょう?

 

 

「やっぱりベースとして、好奇心旺盛な人と一緒に働きたいです。面白がって自分から積極的に情報を取りに行く人とか。スキル面で言えば、何かしらのプロ(オタク)の人。どんな分野でも“極める”ことって本当に努力がいることで、そんな極めるまでの道のりを逆算できるから、その経験は仕事でも応用できるんじゃないかと。だからアニメでも、ラーメンでも、銭湯に超詳しい人でも」。

 

 

最後に、「今後の夢はなんですか?」と尋ねると、「PR業界を盛り上げたい。夢のある領域だから、PR自体の価値を底上げしたい」と答えたネモトさん。今後この国で、いや世界でPRの価値がどれほど認められるのか。それは冗談抜きで、若き君たちの腕にかかっている。「PR業界を背負っていくぜ!」というほどの気概がある学生を、心よりお待ち申し上げます!!!

 

 

Writer’s Profile

営業推進局

益岡 紘暉 (ますおか ひろき)

2017年4月入社。入社後は、プランニング&コンサルティング局にてスポーツ業界・金融業界・食品業界を中心に担当。 マーケティングPRコンサルティングから、世界的スポーツイベントに関するメディアリレーションズ、PRイベントまで幅広く従事。2019年1月より現職。